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微細気泡の儚さ!?

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 皆さん、こんにちは! まだまだ朝と夜の、気温の寒暖差がありますね。

風邪を引かぬよう、体調管理には気を付けたいものです。

 

 さて、今回は、微細気泡ってどのくらいもつの? 

という質問を受けることがありますので、このことについて少し。

 

微細気泡の賞味(消費)期限!?

 これについては、研究者の間でも様々な意見に分かれます。

なぜこのような議論があるかといえば、やはり「目に視えない」サイズのものを、

そして計測が難しい状態のものを扱っている、というのが大きな理由かもしれません。

 

 まず、気泡は「水中(液相、固相)」になければ確認ができませんよね?

必ず「相」の異なるものに存在しなければなりません。

(固相、液相、気相 ; 物質の三態)

 

 

 

まぁ、小難しい話しは置いといて…

 

 次に、水中に漂う気泡を想像して欲しいのですが…

きわめて小さい泡でないと、すぐに水面に浮いてきて、

消えてなくなっちゃいますよね。

 

 なので、気泡が水中に存在し続けるためには、

浮き上がってこないための気泡の大きさと、

圧力(水圧、水の深さ)が重要になってきます。

 

 

 

 水深が深くなると、それだけ気泡に圧力(水圧)がかかるので、

浮上するまで時間がかかる、浮上してこない、という状態が作れます。

 

 そして、この状態で、どのくらいもつかと言うと…

 約時間 !!

と言われているんですよね。 すごい!!

 

…でもこれ、本当?

 

 一般的に、約6時間と言われているのは、『ストークスの法則』より、

算出した結果から言われているものです。

約1mの水深、気泡径が約10μm(ミクロン)での理論値です。

 (詳しく知りたい方は、ぜひ調べてみて下さいね)

 

 しかし、この測定、非常に困難で、水温や気体の性質、

液体の粘度、…などによってかなり変わってきてしまうんです。

そして、微細気泡の特性として、

自己収縮(圧潰)作用」というものがあり、

時間とともに、勝手に小さくなってしまうんですね。

 なので、厳密な計測は難しく、あくまで推論に過ぎません。

 

 ただ、これらの性質を理解し、上手く活用すれば、

気体が液体に溶けやすい(表面積が大きい)のは確か、

作った瞬間に利用できれば、より高い効果が望める、ということが

言えるかもしれません。

 鮮度が大切。生モノに近いですね。

 

 ペットボトルの炭酸飲料を例に挙げれば、

開封して6時間後の炭酸が抜けきった状態のものを、

炭酸水とは呼ぶ人は少ないでしょう。

 

 あくまで、連続的に気泡を作り出す機構、システムが必要で、

作った水は、長期間の保存はあまり効かない、とも言えます。

 

 もし、長期保存が利くとすれば、それは微量添加材などを用いて、

調整された機能水や、化学的に処理された水とも言えますね。

 

 この辺が、エセ科学、と言われる所以でしょう。

なぜ効果や結果が望めないのか?

まずは、泡の性質を理解することが重要ですね。

 次回は、もう少し深掘りをしていきます。

 

 何事も理解した上で、上手に活用していきたいものです。

この記事を書いた人

佐藤 嘉

研究者、エンジニア、発明家。博士(工学)。岩手大学大学院、東北大学大学院修了後、同大学金属材料研究所の研究員を経て帰郷。 地元民間企業を経験した後、地元の私立・県立工業高校、国立高専で教鞭を執る。専門は材料工学(金属、粉末冶金)。 現在、技術コンサルタント業などフリーランスとして活動する傍ら、マイクロバブル関連技術の啓蒙活動をはじめ、これらの設計・製造・開発業務を行う。他、3Dプリンターを駆使した製品の製造を手掛ける。 山形県鶴岡市在住。日本金属学会会員。日本高専学会会員。

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