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油性ペン(マジック)の汚れ落ち?

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皆さん、こんにちは!!

先日、TV放送で、油性ペン(マジック)の汚れ落ちについて

実験されてましたので、こちらについて少し言及を。

(そもそも、もうTVなんて見てないよ!という方でも気軽にどうぞ)

 

マイクロバブルのシャワーヘッドで油性マジックが落ちる!?

…という汚れ落ちの試験動画、あちこちで見かけますね。

youtubeや他動画でも検証されていますし。

 

さて、この実験、気付いている方も多いと思いますが、

よくよく考えてみればわかりますね。

 

油性マジック(汚れ)が落ちる? ということ

 そもそも油性マジックがなぜ使われているのか、と言えば、

 

 『落ちにくい汚れとしての代名詞』

 

 ということで使われているのだと思います。

 

 幼いころに、油性マジックを使っていて、お気に入りの白いお洋服につけちゃった!

…水洗いや洗濯しても取れない…(涙)  …ということですよね。

白いワイシャツに付けた方も多いのでは? 

 

 ワインやしょう油なども、つけたくないですよね。

汚れの落ちにくさは、イメージで伝わってきちゃいます。

 

 このようなイメージから、油性のペン(マジック)は、いつしか

誤って衣服などに付けたら最後、二度と落ちませんよ、

ということで、世間一般的に定着していったのだと思います。

 

 さて、この油性マジック、なぜ落ちにくいのかと言えば…

『水性』ではなく『油性』だから、つまり

油性のインキ(インク)を原料としているから、

となるでしょうか。石油系の原料ですよね。

水性の場合は、使用しているのが一般的な『水』ということになります。

 

 油性マジックの原料が石油、つまり「油」ですよね。

油と水は混ざりにくい、相性が悪い、などということは、

経験的にも、中学生の理科の実験でも、ほとんどの方が

習った記憶があるはず。。。 油は水をはじきます。

 

 そして、洗濯するときには、油汚れをとるための界面活性剤、

つまり「洗剤」を使うわけです。

 水洗いしても、水と相性の悪い頑固な油(皮脂)汚れは取れませんから。

洗濯したことのある方なら、常識的な感覚として持ち合わせていますよね。

 界面活性剤の効果などは、他の記事で書くとして…

 

 簡単に言うと、汚れを落とすためには「相性の良さ」、が必要です。

水性ペン(マジック)が水洗いで落ちてくれるのは、「水」で洗い流すから。

目には目を。油には油を。

油性マジックを落とすには同じ「油」が有効です。

(…表現違いますよね、すみません)

 

CM等で取り上げられている各社の見せ方

 上記をまとますと、この油汚れを落とすためには、

どのような状態(方法)なら、水で油汚れが落ちるのか」、が視えてきますね。

 

 可能性として挙げられるのは、

 

1.はじめから皮膚に油類(ファンデーション)などを薄く塗っておく

2.洗剤入りの水をかけて洗い流す

3.そもそも油性マジックではなく、水性マジックを使っている

etc…

 

 まあ、疑えばキリが無いんですが…

汚れの落ち方をよく見ると、油性マジックの「剥がれ方」で、

どのようなことをしているかがわかるんですけど…

…ね。

 

 いやいや、油性マジックきちんと使ってますよ!!

 

 と言われる方。はい。確かに。 油性マジックできちんと?…

実証されている企業CM、ありますね。

 さて、この点についても、説明しなければなりません。

 

 油性マジックを皮膚に書いて、『どのくらい』で、洗い流していましたか?

どのくらいの『時間で』、洗い流しましたか?

 ほとんど時間、経ってませんよね?皮膚に書いてから、ものの数秒で洗い流す…

…これって、「生(半)乾き」の状態ですから。

 この状態なら、普通の水道水でも、こすれば『汚れは落ちます』。

なので、汚れが落ちること自体、当たり前なんです。

 

 油性マジックが皮膚に馴染み、完全に『乾いた』状態で、

洗い流して欲しいものです。こうなれば、なかなか落ちませんけどね。

 

 また、ミストシャワーと呼ばれるシャワーもあり、もともと水の粒子を細かくして、

皮膚に浸透しやすくなっている状態のものもあります。

 

 つまり、「マイクロバブル」で汚れを、というわけではなく、

霧状のミストシャワーなので、通常のものと比べて「比較的に」、

汚れが落ちやすいのでは?ということですね。

 

 ただ、ミストシャワーだと結局、水量を落として洗い流す量が少なくなるので、

人によっては、『時間がかかりすぎる』、『冷たく感じてあまり温まらない』

という方も出てくるでしょう。あくまでバランスが大切です。

 

 最後に、もともと人間の手には皮脂分があるので、時間の経過とともに、

1~2日も経つと、自然と油性マジックは消えてくれますね。

 

 最も、いつまでも落ちにくい汚れは、皮膚に浸透した

『水性の』マジックだったりします。完全に乾ききってしまうと、

皮脂分と反応しない分、水性のマジックの方が、汚れが落ちにくいですから。

 

 いかがでしたか?

 

 その場その場の状況で、きっちり考えて判断したいものですね。

商品購入の際、参考になりましたら幸いです。

この記事を書いた人

佐藤 嘉

研究者、エンジニア、発明家。博士(工学)。岩手大学大学院、東北大学大学院修了後、同大学金属材料研究所の研究員を経て帰郷。 地元民間企業を経験した後、地元の私立・県立工業高校、国立高専で教鞭を執る。専門は材料工学(金属、粉末冶金)。 現在、技術コンサルタント業などフリーランスとして活動する傍ら、マイクロバブル関連技術の啓蒙活動をはじめ、これらの設計・製造・開発業務を行う。他、3Dプリンターを駆使した製品の製造を手掛ける。 山形県鶴岡市在住。日本金属学会会員。日本高専学会会員。

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